事務所ブログ
2011年10月 8日 土曜日
これ、いくらですか...??
先日の土曜日の午後、ご依頼を受けた相続登記の戸籍謄本をチェックしていると、事務所の電話が鳴りました。
(ご相談者さん)「お休みのところ申し訳ありません。初めてお電話するんですけど...。」
「あっ、はい。こちらこそ、初めまして。休みではありませんので、どうぞご安心ください(笑)」
(ご相談者さん)「ありがとうございます。ところで...。そちらの事務所では、相続登記はやってらっしゃいますか?」
「はいはい。もちろんやっておりますよ。」
(ご相談者さん)「はぁ~、そうですかぁ...。」
「(ん?何だか元気が無さそう...。)何かお悩みですかぁ?」
(ご相談者さん)「あっ、いえ...。突然のお電話で失礼とは思いますが、実は、昨年に主人が亡ったんです。
で、その主人名義のマンションを、私の名義に書き換えたいのですが、どのくらい必要でしょうか...?」
「どのくらい?というのは、お金のことでしょうか?」
(ご相談者さん)「はい。恥ずかしながら、お金のことなんですが...。」
「恥ずかしくなんかないですよ。皆さん、気にされることですから。
私だって、買い物をするときには、値札を見てから買いますもん(笑)」
「ただですね...。マンションの名義を書き換えるためには、実費として登録免許税という"税金"が必要になるんですね。」
「この税金は、ご自身で手続きをされても必要になるものなのですが、その税金がいくらになるかは、マンションの価値によって異なります。」
「ですから、マンションの価値が分からないと、一口に"いくらですよ!"とご提示することが難しいんです。
ちなみに、おおよそのマンションの価値ってお分かりになります?」
(ご相談者さん)「いえ、価値なんて...。とても古いマンションですから...。」
「そうですねぇ...。そうしたらですね。仮に、仮にですが、そのマンションの価値が1,000万円!だとしましょうか。」
(ご相談者さん)「えぇ...。その位でしょうか...。」
「そう仮定すると、手続きに必要な税金は、4万円です!
で、もし、そのお手続きをご依頼頂くとなると、その税金にプラスして、手数料、いわゆる"報酬"を頂戴することになります。」
(ご相談者さん)「えぇ。面倒なことをお願いするんですから、実費以外に、支払いが必要なのは分かるんです。
で、その報酬というのは、いくら位でしょうか?」
「はい。頂戴する報酬の金額は、その手続きを行うために、どのくらいの作業が必要になるかによります。」
「戸籍謄本や必要な書類が、予め揃っているようでしたら、そのご負担は要りませんし、私の方で全部集めるとなれば、その分、ご負担頂くことになります。」
「もう少し詳細をお伺い出来れば、手続きの流れをご説明のうえ、実費含めての【お見積り書】をご提示しますが...。」
(ご相談者さん)「すみません...。だいたいでいいので、どれくらいでしょうか?」
「そうですねぇ...。お手元の資料を拝見しませんと、これまた一口では難しいのですが、私の事務所の平均としましては、だいたい7万円くらいでしょうか。」
(ご相談者さん)「ですよね。ですよね...。私もそれ位だと思っていたんです...」
「ん??といいますと...?」
(ご相談者さん)「いえ...、実は...。」
実は、このお電話の女性の方、既に、ある司法書士事務所さんへ相続登記をご依頼されていました。
で、お電話を頂いた前日(金曜日)の夕方、その司法書士事務所さんから連絡があったそうです。
「相続登記が終わった旨」&「ご請求の旨」の...。
そして、あさって(週明け月曜日)には、「お支払いする予定」とのことでした...。
(ご相談者さん)「請求された金額が思いのほか高くて、それで、驚いてしまって...。」
「はぁ...。そうだったんですか...。実は、数年前までは、"報酬基準"というのがありましてね。"報酬"の大枠は決まっていたんです。」
「ただ、今は、"報酬"の金額については自由化されていますので、それぞれの事務所さんで、決めた方はバラバラなんですよ...。」
「もちろん、その報酬基準に沿った"相場"というものはあるんですが、自由化の結果、事務所によっては、倍以上違うなんてこともあり得ます。」
「でも、その司法書士さんへご相談なさったとき、費用等のご説明は、ありませんでしたか?『お見積り』とかのお話は、ありませんでしたか?」
(ご相談者さん)「はい。ありませんでした...。
こちらから聞くのも、失礼かと思いまして...。」
改めて詳細をお聞きしたところ、「請求書の内訳は分からない...」とのことでしたが、内容をお聞きする限り、特に法外な値段設定という訳ではないようでした。
そのことをお伝えしたところ、お電話の女性は、少しだけ安心されていました。
しかしながら、例え、それが妥当な金額であったとしても、この女性は、すでに多くの不信感を感じていらっしゃいました。
同じ司法書士として、とても残念です。
「全体の費用で、この位は必要になると思いますよ」
と予めご説明していれば...。
当たり前のことですが、司法書士には、手続きの報酬(値段)について、キチンと説明する義務があります。
もし、この女性から依頼を受けた司法書士さんが、報酬についての説明を一切していなかったとすれば、この司法書士さんには明らかな"落ち度"があります...。
ですから、ボクは、この司法書士さんをかばうつもりはありません。
ボクは、お電話の女性に、
「まずは、請求書の内訳をよくご覧になって下さい。
そのうえで、不明な点は何でもご質問なさって下さい。
ご安心下さい。
ご依頼なさった司法書士さんには、その質問に答える責任がありますから...。」
とお伝えしましたが、なんとも、後味の良くない話しでした...。
ボクは、値札の貼っていないものは買えません。
値札の貼ってない洋服をレジに持って行く...
値段の分からないお寿司を注文する...
そんな勇気はありません。
そのかわり、もし値札が貼っていなければ、
「これ、いくらですか?」と聞く、勇気が必要になります。
なんとなく聞きづらい雰囲気...
なんとなく恥ずかしさを感じる状況...
あろうことか、明らかに不機嫌になる店員さん...
色々あります。
ただ、そのひと言を聞く勇気を選ばない限り、
その買い物は、ある意味、"バクチ"です。
お買い物をする。
手続きを依頼する。
値段が気にならない訳がありません。
繰り返しになりますが、司法書士には値札を貼る義務があり、説明する責任もあります。
ただ、司法書士は、"100円ショップ"でも、
"一皿100円の回転ずし"でもありません。
残念ながら、値段は決まっていないのです。
ですから、もし、
値札が貼っていなければ...
値札の見方がよく分からなければ...
悩まずお聞きください。
決して、決して、失礼なんかではありませんから。
「これ、いくら??」
ご自身のためにも、納得するまでお聞きください。
キチンとした事務所さんには、
当然、キチンとご説明頂けますから!!
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(ご相談者さん)「お休みのところ申し訳ありません。初めてお電話するんですけど...。」
「あっ、はい。こちらこそ、初めまして。休みではありませんので、どうぞご安心ください(笑)」
(ご相談者さん)「ありがとうございます。ところで...。そちらの事務所では、相続登記はやってらっしゃいますか?」
「はいはい。もちろんやっておりますよ。」
(ご相談者さん)「はぁ~、そうですかぁ...。」
「(ん?何だか元気が無さそう...。)何かお悩みですかぁ?」
(ご相談者さん)「あっ、いえ...。突然のお電話で失礼とは思いますが、実は、昨年に主人が亡ったんです。
で、その主人名義のマンションを、私の名義に書き換えたいのですが、どのくらい必要でしょうか...?」
「どのくらい?というのは、お金のことでしょうか?」
(ご相談者さん)「はい。恥ずかしながら、お金のことなんですが...。」
「恥ずかしくなんかないですよ。皆さん、気にされることですから。
私だって、買い物をするときには、値札を見てから買いますもん(笑)」
「ただですね...。マンションの名義を書き換えるためには、実費として登録免許税という"税金"が必要になるんですね。」
「この税金は、ご自身で手続きをされても必要になるものなのですが、その税金がいくらになるかは、マンションの価値によって異なります。」
「ですから、マンションの価値が分からないと、一口に"いくらですよ!"とご提示することが難しいんです。
ちなみに、おおよそのマンションの価値ってお分かりになります?」
(ご相談者さん)「いえ、価値なんて...。とても古いマンションですから...。」
「そうですねぇ...。そうしたらですね。仮に、仮にですが、そのマンションの価値が1,000万円!だとしましょうか。」
(ご相談者さん)「えぇ...。その位でしょうか...。」
「そう仮定すると、手続きに必要な税金は、4万円です!
で、もし、そのお手続きをご依頼頂くとなると、その税金にプラスして、手数料、いわゆる"報酬"を頂戴することになります。」
(ご相談者さん)「えぇ。面倒なことをお願いするんですから、実費以外に、支払いが必要なのは分かるんです。
で、その報酬というのは、いくら位でしょうか?」
「はい。頂戴する報酬の金額は、その手続きを行うために、どのくらいの作業が必要になるかによります。」
「戸籍謄本や必要な書類が、予め揃っているようでしたら、そのご負担は要りませんし、私の方で全部集めるとなれば、その分、ご負担頂くことになります。」
「もう少し詳細をお伺い出来れば、手続きの流れをご説明のうえ、実費含めての【お見積り書】をご提示しますが...。」
(ご相談者さん)「すみません...。だいたいでいいので、どれくらいでしょうか?」
「そうですねぇ...。お手元の資料を拝見しませんと、これまた一口では難しいのですが、私の事務所の平均としましては、だいたい7万円くらいでしょうか。」
(ご相談者さん)「ですよね。ですよね...。私もそれ位だと思っていたんです...」
「ん??といいますと...?」
(ご相談者さん)「いえ...、実は...。」
実は、このお電話の女性の方、既に、ある司法書士事務所さんへ相続登記をご依頼されていました。
で、お電話を頂いた前日(金曜日)の夕方、その司法書士事務所さんから連絡があったそうです。
「相続登記が終わった旨」&「ご請求の旨」の...。
そして、あさって(週明け月曜日)には、「お支払いする予定」とのことでした...。
(ご相談者さん)「請求された金額が思いのほか高くて、それで、驚いてしまって...。」
「はぁ...。そうだったんですか...。実は、数年前までは、"報酬基準"というのがありましてね。"報酬"の大枠は決まっていたんです。」
「ただ、今は、"報酬"の金額については自由化されていますので、それぞれの事務所さんで、決めた方はバラバラなんですよ...。」
「もちろん、その報酬基準に沿った"相場"というものはあるんですが、自由化の結果、事務所によっては、倍以上違うなんてこともあり得ます。」
「でも、その司法書士さんへご相談なさったとき、費用等のご説明は、ありませんでしたか?『お見積り』とかのお話は、ありませんでしたか?」
(ご相談者さん)「はい。ありませんでした...。
こちらから聞くのも、失礼かと思いまして...。」
改めて詳細をお聞きしたところ、「請求書の内訳は分からない...」とのことでしたが、内容をお聞きする限り、特に法外な値段設定という訳ではないようでした。
そのことをお伝えしたところ、お電話の女性は、少しだけ安心されていました。
しかしながら、例え、それが妥当な金額であったとしても、この女性は、すでに多くの不信感を感じていらっしゃいました。
同じ司法書士として、とても残念です。
「全体の費用で、この位は必要になると思いますよ」
と予めご説明していれば...。
当たり前のことですが、司法書士には、手続きの報酬(値段)について、キチンと説明する義務があります。
もし、この女性から依頼を受けた司法書士さんが、報酬についての説明を一切していなかったとすれば、この司法書士さんには明らかな"落ち度"があります...。
ですから、ボクは、この司法書士さんをかばうつもりはありません。
ボクは、お電話の女性に、
「まずは、請求書の内訳をよくご覧になって下さい。
そのうえで、不明な点は何でもご質問なさって下さい。
ご安心下さい。
ご依頼なさった司法書士さんには、その質問に答える責任がありますから...。」
とお伝えしましたが、なんとも、後味の良くない話しでした...。
ボクは、値札の貼っていないものは買えません。
値札の貼ってない洋服をレジに持って行く...
値段の分からないお寿司を注文する...
そんな勇気はありません。
そのかわり、もし値札が貼っていなければ、
「これ、いくらですか?」と聞く、勇気が必要になります。
なんとなく聞きづらい雰囲気...
なんとなく恥ずかしさを感じる状況...
あろうことか、明らかに不機嫌になる店員さん...
色々あります。
ただ、そのひと言を聞く勇気を選ばない限り、
その買い物は、ある意味、"バクチ"です。
お買い物をする。
手続きを依頼する。
値段が気にならない訳がありません。
繰り返しになりますが、司法書士には値札を貼る義務があり、説明する責任もあります。
ただ、司法書士は、"100円ショップ"でも、
"一皿100円の回転ずし"でもありません。
残念ながら、値段は決まっていないのです。
ですから、もし、
値札が貼っていなければ...
値札の見方がよく分からなければ...
悩まずお聞きください。
決して、決して、失礼なんかではありませんから。
「これ、いくら??」
ご自身のためにも、納得するまでお聞きください。
キチンとした事務所さんには、
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投稿者 ナチュラル司法書士事務所